「子どもに付き添うのはママ」という押し付け、やめようよ

こんにちは!障害児ママのためのキャリアカウンセラー、あまだゆみです。

息子の難聴がわかってから、生後間もない息子とともに、あらゆる病院・施設に赴きました。
その中でひしひしと感じたのは、
「お子さんに付き添うのは、基本ママでしょ」
という押しつけ。
もう、違和感ありまくりでした。

「男女平等」で育ってきたのに

私はアラフォーに突入した世代。
男女平等が当たり前、という価値観で幼い頃から育ってきました。

これまで、就職活動や営業職を務める中で、ステレオタイプな価値観を押し付けられ、嫌な思いをしたり、反発を覚えたことはあります。
でも、ママになってからはより強く感じるようになり、さらに障害児ママになってからは、あまりに旧態依然とした価値観のオンパレードに、もはや愕然とすることが多いのです。

うちの夫婦は、「平等」がモットー。

「お互いの仕事の状況を鑑みて、できる方がやる」がルールですが、平等が当たり前だと思っているので、どちらかに負荷が寄った場合は「ありがとう」が欠かせません。
夫は、息子誕生後に2か月弱育児休業を取得しました。
そのため、通院は夫婦そろって、役所の手続きは夫が担当、という役割分担でした。

付き添うのは、ほぼママ

病院や療育センターに行くと、付き添いのママ率の高さに驚きます。

もちろんパパ&両親パターンの方もいますが、9割がママのみ。
育休中ならば、ママ一人の方が動きやすいという場合もあると思います。
でも、育休は過ぎているであろう年齢のお子さんを連れたママが、たくさんいます。

スタッフの方々の対応を見ていても、「基本はママ」というスタンスがにじみ出ています。
「あぁ、今日はパパも一緒なんですね!すばらしい!」
なんて褒められることもざら。

いやね、褒めることは大切ですよ。

「いいパパですね!」と言われたらうれしいし、救われる思いがするはず。

でも、じゃあ「今日もママが連れてきたんですね!ママ、いつもおつかれさまです!」って言葉がかけられるのか?って話ですよ。
別に、褒めてくれって言ってるんじゃないんです。

そういうスタンスが、ステレオタイプを助長し、いつまで経っても変わらないからやめようよと思うわけです。

療育センターでのできごと

息子が集団療育に参加することが決まり、事前に園長先生と面談することになりました。

その中で、幾度となく
「基本はママが一緒にいらっしゃると思うのですが」
と言われました。

また、「お子さんを保育園に預けることは、賛成できない。年少で幼稚園もちょっと悩むレベル。年中からの二年保育の幼稚園が望ましく、それまではママと一緒にご家庭で過ごした方が良いと思います」と言われました。

それを聞いて、私は頭が真っ白になりました。

え、待って。

主治医の先生は、「集団生活で言葉のシャワーを浴びることは、子どもの言語発達の刺激になる」って言ってたのに。

私が、息子の言語発達の責任を負わなくてはいけないのか。
もし、失敗したら?うまく導いてあげられなかったら?
息子の言語発達が遅れてしまう。
私のせいで。

仕事はどうする?お世話になっているクライアントさんたちは?
チアスクールの運営は、生徒数から言っても業務量から言っても、私が抜けたら無理だ。
代理の人を探す?どうやって?

そんなことが頭の中を駆け巡りました。

このショックは、かなり尾を引きました。
1〜2カ月は思い悩み、泣き、悶々とした暗い日々を過ごしました。

夫婦で何度もじっくり話し合い、周りの人たちの助けを借りて、「これが今の我が家にとってはベストな道だ」と思える選択肢にたどり着いて、ようやく前に進むことができました。

今でも園長先生にお会いすると、
「私があんなに泣いて悩んだこと、先生は知らないんだよなぁ」
と、ふと思うことがあります。

誤解のないようお伝えしておくと、私は決して園長先生が嫌いなわけではありません。
プロとしての長い経験から、息子にとって一番良いと思われるご意見を下さったことに、とても感謝しています。
プロからのアドバイスを踏まえて、どう判断するのか、最後は親の責任ですよね。

関係者の方々の「基本ママ」という発言についても、他意があるわけではなく、実態を反映しているに過ぎないのだと思います。

子育てと療育、仕事に家事といっぱいいっぱいな時は、どうしても深刻に受け止めてしまいがちですよね。
でも、「あ、ステレオタイプ出たー」くらいに聴き流すのが良いのかもしれません。

そして、周りの人を巻き込んで、たくさん助けてもらいましょう。

私は、障害の有無に関わらず、たくさんの大人が子育てに関わり、みんなで見守っていくが良いと思っています。
林田香織さんの”チーム我が家”という考え方がとても素敵で、深く共感しています。
良かったら、覗いてみてくださいね。

※この記事については、あくまで我が家の場合に過ぎません。全てのご家庭やお子さんに当てはまるわけではなく、それぞれの状況によって大きく異なると思います。医師等の専門家に相談なさってください。

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